以下の本を読みました。
先日『現代語訳 論語と算盤』を読んでからというもの、『人間を磨く』ことに興味を持った私。
今回は、禅語について書かれた本を読んでみました。
導入部分に書いてある通り、国を問わず、禅は学んだ方が良さそうです。
実際、世界のリーダーたちの多くが禅を学んでいます。京セラ創業者であり、六十歳を過ぎて出家得度を受けた僧でもある稲盛和夫さん然り。アップルの創業者で、禅の精神を映した「洗練されたモノづくり」で知られるスティーブ・ジョブズ然り。
彼らトップリーダーたちは禅の教えを実践したからこそ、人の上に立つ人間として大切な「ブレない心」をつくりあげることができたといっていいでしょう。そのくらい禅の教えは、リーダーの仕事にも通じるものなのです。
枡野 俊明 リーダーの禅語
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構成
リーダーには5つのものがなければならないと述べられています。
- 風格……世の中に、部下に、恥じない生き方ができるか
- 育成力…部下に何を伝え、組織をどう導くか
- 平常心…「予期せぬこと」にどれだけ強くなれるか
- 行動力…チャンスをつかむ「準備」はできているか
- 信頼力…人を惹きつける「実力」と「魅力」はあるか
それぞれの項目に対して、10個の厳選された禅語とその解説が書かれています。
縦書きの本で、1つの禅語が右のページに書かれ、その後3ページ(禅語の右ページ、次の見開きページ)に渡って解説が書かれています。
統一感があって、非常に読みやすいです。
私が特に気になった禅語
5項目にぞれぞれ10個ずつ、全部で50の禅語が選ばれて載っているのですが、その中からかく1つずつ紹介したいと思います。
風格
琢玉当成器 人不學不知道(たまみがけばまさにうつわをなす ひとまなばざればみちをしらず)
「リーダーらしく」より、まずは「人間らしく」というコトです。
最高の生き方を志すとき、その行き着く先に仏道があると考えられているそうです。
まずは自らが人間を磨く。その上で、部下の能力を見抜く目を養う。
後者からやろうとしてもダメってコトですね。
育成力
同日安居(どうじつあんご)
「競争」よりも「切磋琢磨」させる。
僧侶仲間は厳しい状況の中で、競争するように「自分が成長したい!」というつもりで修行しているのではなく、仲間の中で一人の脱落者が出ないように、互いに励まし合い、助け合うそうです。
切磋琢磨ですね。
競争を促すと、ときにギスギスするコトがあります。
それよりも、互いが励まし合って、磨かれている関係の方が良いというコトです。
平常心
平等心是道(びょうどうしんこれどう)
いいときも悪いときも「引きづらない」。
リーダーもそうですし同僚もそうですけど、気分屋では困ります。
感情の振れ幅を小さくすることが、平常心につながるというコト。
失敗したときもそうですが、うまくいっているときほど謙虚になる、という方が、なかなか私は意識できないことが多いです(^▽^;)
行動力
結果自然成(けっかじねんになる)
成功は「積み重ね」の先に。
人事を尽くして天命を待つ。
決して、『放っておいて結果がでる』というコトではなくて、『運がいいからチャンスを得られる』というコトでもなくて、日々努力を重ねているかどうか。
努力をすれば報われるわけではないのですが、結果は努力の先についてくるものだというコトです。
信頼力
開門福寿多(もんをひらけばふくじゅおおし)
"オープンマインド"で人と接する。
「いつ」「誰に」でも心を開けるかというコトが大事。
ただし、単に「門戸を開いて、福を呼び込みましょう」というコトではなく、前提条件がついています。
それは、「家でも心でも、入口となかをきちんと整えて、いつでも門を開いておけるようにしておくことが大切である」というコトです。
おわりに
私は、社内ではリーダーでもなんでもない一兵卒です。
しかしながら、少しでも高い目線を持たなければ、一生一兵卒で終わってしまいます。
また、高い目線を持ったリーダー、上司、経営者の考えを理解するには、やはりその目線をバーチャルでも何でもいいから想像してみないと難しいです。
目先のコミュニケーションテクニックなどもいいのですが、こういった人間力を高めていくことが、長い目で見て、自分にとっていいコトなのではと考えています。
そのために、禅語というのは端的で非常にとっつきやすいものだと感じました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。