2018年2月25日日曜日

フィギュアスケートの得点をもっとよく見てみよう



フィギュアスケートシングルのちょっと深くスコアを見る方法を、以下のエントリで書きました。

今回はさらに詳細な見かたを書いておこうと思います!


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基本

まず、フィギュアスケートの得点には、技術点(Technical Element Score)と、構成点(Program Component Score)があるのでした。

>>フィギュアスケートの得点をちょっとよく見てみよう | A's Thought web-Log(ATL)

もっとよく見るためには

ISUでは、その競技が終わった直後に、ジャッジの結果をpdfにしてアップしています。

たとえば、女子ショートが終わったら、その女子ショートで1つ。男子とフリーを合わせると4つのpdfがあがります。
もちろん、ペアやアイスダンスも上がれば、その分も公開されますよ。

2018平昌オリンピックであれば、以下の画面の一番右側のReport欄です。

olympic2018

↓リンク

>>Olympic Winter Games PyeongChang 2018


すると、pdfが開きます。

2018平昌オリンピックの、女子フリーのサンプルを以下にスクショで置きますね。
1ページごとに各選手の詳細が載っていて、以下のものはカロリーナ・コストナー選手のページです。

kostnercarolina_result

解説

pdfに載っている選手の順は、順位順です。

上半分の 『# Executed Elements』のすぐ下には、技術点の詳細が載っています。1~12の要素について評価されています。
これがショートだと6つになります。

下半分の『Program Components』の欄には、演技構成点の詳細が載っています。
5つの要素について評価されています。


右方向に、J1~J9は、ジャッジする人です。この大会では9人ジャッジする人がいて、それぞれが評価しています。

技術点

技術点については、まず各要素の基礎点がBase Valueに載っています。
その右にGOE(Grade of Execution)という出来映え点が載っています。

GOEについては、3点満点で9人のジャッジの評価の平均値で、-3~+3がつきます。

GOEは1点刻みで各ジャッジが採点します。3点満点を取るには、全員のジャッジが3点をつける必要があります。

基礎点と出来映え点の間に「X」マークが付いているものは、演技後半のジャンプで、基礎点が1.1倍になっているものです。

基礎点の右に「<」マークが付いているものは、軽度の回転不足で『アンダーローテーション』とも呼ばれます。
ジャンプにおいて、回転の不足分が1/4回転以上1/2回転未満と判断された場合、本来の基礎点の70%になってしまいます。

そして、この選手にはないのですが「<<」と付く場合があります。これはさらに重い回転不足で『ダウングレード』となります。
ジャンプにおいて、回転の不足分が1/2回転以上と判断された場合、トライしたジャンプより回転数が1回転少ない同じ種類のジャンプの基礎点になってしまいます。

たとえば、3回転を飛ぶつもりでダウングレード判定になると2回転の基礎点になります。

その他にも記号があるのですが、それは最終ページの最下部分に載っていますので、さらに興味がある方は見てみて下さいね♪


基礎点(Base Value)にGOEを足した点数が、獲得点数(Score of Panel)になっていて、その合計が最終的な技術点になります。
上記のスクショの場合は、62.84が全ての要素の基礎点の合計で、75.20が最終的な技術点です。

構成点

構成点については、各ジャッジが10点満点で5要素を評価。その平均点に、Factorという係数を掛けた数値が、獲得した得点になります。

表ではわかりにくいのですが、獲得点数(Score of Panel)の各要素の場所には、係数を掛ける前の10点満点の値が載っていて、その下の小計部分に係数を掛けた結果の得点が載っています。
上記のスクショの場合は、上から9.46,92.25,9.43,9.57,9.57が、10点満点で採点された得点で、75.65が先の5要素に係数1.60を掛けた値になっています。
75.65が、最終的な構成点です。


技術点にしても、構成点にしても、テレビ中継の中で解説の人が

  「○○には、ジャッジの中に満点をつけている人がいますねぇ」

とかいうのを正しく把握するには、このpdfを見ないと分かりません。

技術点では、+3点、構成点では10点が、J1~J9のジャッジの中でつけている人がいる場合ですね。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

このpdfが見れるようになると、さらに得点の積み上げ方に対して理解が深まると思いますし、見ているときに色々なコトに注目するようになるでしょう。

フィギュアスケート、これからも楽しんで見たいですね!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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